円安のご時世、海外で出稼ぎはアリ?ナシ?大連で現地採用として働いていたら毎月いくら貯金できたか話します!

2023-09-17

大連現地採用ライフについて語っちゃうシリーズ。

今回は読者様お待ちかね(?)の現地採用としてお金を稼いだ際の収入と支出についてです。

 

円安のご時世、海外での出稼ぎが有利なんて巷で言われてますね。

日本円は中国人民元に対してもバッチリ下がってます(+_+)

僕は2019年の9月に留学のために中国へ行きましたが、この時は円高でした。

その後コロナでの一時帰国を経て、2020年の10月に現地採用として中国に再度渡航。

2022年3月に退職して4月に帰国したのですが、ありがたいことに渡航時は円高で帰国時は円安でした。

帰国してからはさらに円安が進み、まるで何もしていないのにお金が増えているような感覚になりました。

一連の円高と円安でおそらく数十万円得したと思われます。

以上が為替差による利益なんですが、数十万も違ってくるなんて案外バカにできませんよね。

 

一方、為替とは別に重要になってくるのは現地通貨建ての額面です。

こちらも高ければ高いに越したことはありません。

では僕が大連で現地採用として働いていた時の月給はいったいどれくらいだったのか?そして手取りは?

ぶっちゃけ余裕のある生活は送れていたのか?毎月のやりくりでいくら貯まったのか?

 

本記事ではそんな疑問にお答えできればと思います!

ちょいちょい中国の、それも大連の物価の話になったりもするので、そのあたりも気になるって方は特に楽しめるかもしれません

なお1元=20円で計算しています。

※※

今回も例によって色々詳しく書いてますが

ディテールはいらないから結論だけ知りたい!

という方は、目次より「結論」に飛んでそこだけ読んでいただければと思います!

 

ローカルの相場と比較して

僕のいた大連の物価については「中国の中では比較的高いけど、それに対して給与が少ない…」なんて言われていました。

現地人の懐事情に関して、僕の周りの話を聞く限りだと月収5000元前後で生活はまあまあ切り詰めてる、みたいな人が多かった印象です。

ちなみに僕の職場は最低月収が6000元で、8000~9000元付近がボリュームゾーンだったと記憶しています。

大連ではたくさんの日本語関連業務が展開されているという話をこちらの記事でしたかと思いますが、そんな数ある業務の中でも前職はそれなりに報酬が多いほうだと聞きました。

その分求められる日本語力も高いので、当然と言えば当然かもしれません。

僕の職場に限らず、概して語学力やIT等の特殊技能があるほど報酬が高くなります。

さて、そんなローカルの皆さんに対して僕の給与はと言うと…

 

ズハリ、11000元でした。

 

現地では十分に高給取りの部類なんですが、ぶっちゃけ中国で現地採用として働いてる日本人にしてはちょっと少ないかな?といった感じですね。

本当はもう少しもらえそうだったんですが相場を知らなかったため面接時に交渉を怠り(というか意中に無く)、結果的に買い叩かれたみたいです。

事前に相場を知って交渉する強かさを持てる人間になりたいと思うばかりです。

ちなみにここに交通費等の諸手当やインセンティブ、中国の祝日手当等が乗るので、在職期間1年半を通しての平均だと12000元程もらっていました。

これに加えて春節前に10000元のボーナスがあったので、年収にすると約154000元になります。

日本円に換算すると月収24万円の年収300万円強ということになりますね。

中国の保険に加入していなかったので手取りは多めで、所得税が毎月500元ほど引かれるだけでした。

(中国での所得税についてはこちらのツールで概算できます)

したがって毎月の手取りは平均でおおよそ11500元くらいになり、この中で生活をやりくりする感じになります。

 

僕の毎月の収入と支出詳細

毎月の手取りが11500元くらいになるのが分かったところで、次に支出についてです。

まず僕が住んでいた物件の家賃についてはこちらの記事で紹介している通り、2300元/月です。

32階建てで築年数は約10年、間取りは1LDKです。

部屋にはゆったりとしたL字ソファーが備え付けられていて、同じく備え付けのベッドは無駄にクイーンサイズでした。

家賃は三か月に一度、翌月から向こう三か月分をまとめて支払っていたんですが、ここでは分かりやすく毎月2300元支払っていたとします。

家賃を除くその他の出費ですが、一日の流れに沿って紐解いて行きましょう。

平日と週末(休日)とで出費がかなり変わってくるので分けて計算してみます。

※※ 急な出費や旅行をはじめとしたプチ贅沢等の不確定要素も加味してあるので、全体的に余裕をもった(特に飲食)算出結果になっています。

 

平日の出費

まずは朝食からですね。

基本的に朝食はサクッと済ませるタイプなので、パンとかシリアルとかビスケットみたいなのが中心でした。

残念ながら↓みたいな中国名物(?)の朝食をたしなむ機会はあまり多くありませんでした。

飲み物もスーパーで買ったミルクティーや牛乳が中心だったので、食べる方と併せても10元を下回ります。

そうは言っても時々朝マクド等でぜいたくすることもあったので、ここでは平均10元としておきましょう。

そして会社に行くわけですが、出勤し始めた当初はバス通勤で往復運賃は驚きの2元だったんですが、2021年の夏あたりから甘えが生じてタクシーに頼るようになりました。

 

タクシー通勤とかブルジョワ気取ってんじゃねえよ!

 

ってお叱り受けそうですが、そんなことないんですよ。

まず前提として、大連のタクシーは初乗り運賃が10元です。

日本人からすると激安ですが、中国の中で初乗り10元は普通くらいです。

同じ大連でも県級市(中国の大都市の配下にある県と同レベルの市)の瓦房店市とか庄河(荘河とも)市なんかは6元でした。

そんな日本と比較してかなり安いタクシー運賃に加え、配車アプリでクーポンも活用することで基本的に8~9元で会社まで行けていたので、むしろ日本の電車通勤よりもよほど安いわけです。

朝の時間をゆったり過ごせることや、暑い中や寒い中バスを待たなくてもいいことを考えるとお釣りが来るくらいです。

ちなみに帰りは時間に余裕があるのと、タクシーがつかまりにくいので基本的にバスで帰宅していました。

 

というわけで、平日の交通費は約10元です

 

そしてランチですが、こちらの記事でも紹介したように基本的に20元以下で済んでいました。

というわけで、昼食は余裕を見て20元としておきましょう。

 

夕食についてはちょっと贅沢して香港料理の出前を取ることもあれば、近所の韓国料理やで食べることもあれば、フードコートで日本食を食べたり…昼食に比べると若干高ついていました。

基本的には30元前後だったんですが、ちょっと多めに見積もって35元としておきましょう。

途中通勤費を挟んだのでちょっと飛び飛びになりましたが、平日の食費は余裕をもって約65元です。

ちなみに僕は酒やタバコ、コーヒー等の嗜好品の類は一切たしなまない実に質素な人間(つまらん男だとよく言われますw)なのでこのあたりの出費はないんですが、水をしこたま飲みます。

特にサントリー烏龍茶が大好きで、1日1リットルは確実に飲みます。(余談ですが5歳の頃から今に至るまでほぼ毎日烏龍茶飲んでます)

↑500mlで3元で、1.25Lタイプだと7.5元です。

これに加えて500mlペットボトルの水も必ず1本以上飲みます。

  

↑赤い方が1.5元で、紫の方が1元ですね。

そしてちょいちょいお菓子とかアイスなんかも食べるので、これも加えると三食以外の飲食で20くらい飛びます。

↑6元

↑10元

↑18元(これはたまたま贅沢したやつで、基本的には2~3元のを食べます)

あと糖分の暴力になってしまって申し訳ないんですが、coco都可のミルクティーも週1くらいで飲んでました。

↑12元でトールサイズが飲めるなんて本当に良心的。

 

というわけで、平日の出費がだいたい見えてきました。

平日1日当たりの出費は概算 10(交通費)+65(三食の食費)+20(三食以外の食費)= 95になります。

平日が1か月22日と考えると、95×22=2090元 

これが週末を除く分のおおよその出費になります。

 

週末の出費

繰り返しになりますが、僕はパリピではないので週末が来ると同時に羽振りが良くなるわけではありません(笑

それでも日頃の疲れを癒すべく、1・2食は美味しいものを食べたいという思考は働きます。

ただし僕の感性において「美味しい則ち高価」という方程式は必ずしも成立しません。

と言うか、吉野家の牛丼とかサイゼリヤのミラノ風ドリアで充分幸せを感じるレベルでバカ舌です。

なので価格は関係なく、色んな制約(立地、営業時間等)から平日は食べれない美味しい物を週末に食べることが何よりの贅沢となります。

↑ケバブセット20元

↑鯖味噌定食30元

↑焼き小籠包15元

↑小籠包20元

↑唐揚げ定食30元

↑日替わり定食45元

↑ベトナム・フォーセット40元

↑インドカレーとナンとドリンク100元

こういうのを週末に2、3回食べて場合によっては金曜夜にフライングとかもあるので

だいたいトータルで150元くらいを好きな物を食べる費用に充てていた、と考えるのが妥当なラインかと思われます。

また、2週間に1回ペースで学苑広場のウォルマートに足を運び、日用品を中心にまとめ買いしていました。

1回あたりの出費は大方100元以内に落ち着いていたと記憶しています。そして荷物が重いので帰りはタクります。なので足すと110元ですね。

というわけで、週末の出費は

600(=150×4:グルメ)+ 220(=110×2:買い物と帰りのタクシー) = 820元

だいたいこんな感じになります。

 

その他の費用

では、これ以外の費用も計上してみましょう。

まずは水道代と電気代です。

いずれれも2か月分をまとめて支払いだったのですが、毎回の請求額は平均で合計350元ほどでした。

冬は暖房代を払う必要が無いので安く、夏はエアコンを使うので高い傾向にあります。

↑8・9月分の請求なのでちょっと高めです。

(日本人の感覚からするとだいぶ安いですが、現地人からすると高過ぎるみたいです。)

ということで、水道電気代は1か月あたり約175元です。

インターネットやスマホ等の通信費は中国移動(チャイナモバイル)で契約していて

インターネットは2年契約で800元(ルーター代など込み込み)なので、1か月あたりだと34元ほど。

スマホは月々38元(50GB通信 & 通話999分)です。

あと通勤とは別にプライベートでもかなりバスや地下鉄に乗っていて、市内のバスは一律1元または2元(路線次第)で地下鉄は初乗り1.6元です。

だいたい毎月50元くらい交通カードにチャージして使ってました。

大連の交通カードである明珠卡 ↑クラシック版 ↓ドラえもん版

そして最後に

僕はネットショッピングが大好きで、中国滞在時は二大ECサイトの淘宝(タオバオ)とか京東(ジンドン)で買い物しまくってました。

大連はあまり娯楽が無いので、散歩以外だと僕にとっては唯一の趣味だったと言っていいかもしれません。

月によってまちまちですが、平均1000元くらい使っていたと記憶しています。

ちなみに大連生活最後のネットショッピングで買ったのがこれ↓

フレンチブルドッグの置物(50元くらい)です。可愛いうえに造りがきめ細かくて思わず唸ってしまうほどです。

てなわけで、その他の費用として計上するのは以下の通りとなります。

水道・電気代=175元

通信費=38+34=72元

ネットショッピング=1000元

 

結論

というわけで、大連現地採用として働いていた僕の毎月の収支はこんな感じになります!

(やべ、4993の前に「+」書き忘れてる…)

要するに

それなりに余裕のある生活をしつつ、なんだかんだ毎月5000元くらいプラスになってた

という結論になります!

僕が働いていたのは合計で17ヵ月くらいなので、おおよそ

5000×17=85000元、そしてここに年1のボーナスも加わるので合計で100000元ほど貯まりました。

日本円に直すと200万円ほどですね。

 

物価の安い国で、それも1年半にも満たない割には意外と貯まってると思いませんか?

もちろん生活のレベルをもっと上げたり、上海とか深圳みたいなもっと物価の高いところに住むなんていうケースだと出費は青天井です。

あくまで僕の経験から言えるのは

 

大連で12000元くらいもらってたらまあまあゆとりある暮らしできて、そこそこお金貯まるよ!

そして外貨建ての給与を稼いで円安メリットを活かすのはアリ!

 

ということです。

 

なお僕がやってた仕事は未経験OKのポジションだったので、特にこれといったスキルがなくてもできちゃう仕事でした。

大卒であるとか関連分野での就業経験が2年以上あるとか、そういった要件を満たさないと中国の就労ビザはなかなか降りないというのが近年の傾向ですが

実際のところ、中国には単に日本語ネイティブであるというだけでそれなりの報酬を貰える仕事がまだまだたくさんあります。

あと、交渉次第では僕みたいに買いたたかれることなくもっともっと高給取りになれる可能性はいくらでもあります。

(ここに円安の為替差益まで加わればかなりの額を稼げちゃうんですね)

 

中国以外だと東南アジアも現地採用の有力候補になります。

いずれも日本に比べると物価の低い国なので、現地通貨建ての額面こそ中国と同程度かと思われますが

今はタイバーツ、ベトナムドン、マレーシアリンギット、インドネシアルピア、等々東南アジアの主要な通貨は円に対して軒並み上昇しているので為替のメリットが大きいのです。

現地採用として働いていると、お金だけではなく経験を得るチャンスも無限に転がっています。

現地でより条件の良い会社にステップアップするもよし、昇格して現地スタッフをマネジメントしてその経験を帰国後に活かすもよし。

実際に僕もそうした成功事例をいくつか見てきました。

 

もし日本で行き詰った方は、そんな世界もあるんだと知るだけで未来が開けてくるかもしれません!

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