中国のワンちゃんはどうしてあんなに穏やかで可愛いのか?

これまでお話してきた通り、僕は留学と現地採用とで合わせて2年間中国に住んでいました。

思春期はとっくのとうに過ぎ去ったとはいえ、それでもまだまだ多感なアラサーの2年間。

その感受性豊かな時期を母国を離れて海外で暮らすという経験は、J.T.という人間に数多の変化をもたらしました。

愛国心や自己肯定感だったり、人権意識だったり、金銭感覚だったり、衛生観念だったり…

日本に居たままではおそらく一朝一夕に変わることはなかったであろう様々なマインドにプラスの影響を生んだのではないかと思います。

幸福に対するハードルが下がったのに対して幸福度は一気に上がり、帰国した今もその流れは継続しています。

これらを最大の主産物とするなら

「犬が大好きになったこと」は最大の副産物と言えるかもしれません。

なぜ大好きになったのか?

それは中国の犬は概して大人しくてお利巧?でめったに吠えることがなく、とにかく可愛いからです。

もともと犬派だったんですが、日本にいた時はとにかく吠えられまくっていたのでここまでの愛着はありませんでした。

翻って中国の地で日々賢くて愛らしいワンコたちに触れる中でとにかく彼らが大好きになりました。

(日本に戻った今でも飼いたくて仕方ありません)

というわで本日は中国のワンコについてお話します。

 

そもそも中国のペット事情って…

住んでみて分かったんですが、中国って本当にペットに寛容です。

日本だとやれ不衛生だの、やれ危険だの、とにかくペットが原因で何か起こった時の責任を考慮してかとにかくペットの肩身が狭いです。

基本的に賃貸物件の多くはペット飼育禁止ですし、街中のお店も基本的にはペット連れ込み禁止ですよね。

一方で中国はというと、賃貸は基本的にペット飼育OKで、お店も明示的にNGを出していない限りはペット連れ込み可です。

エレベーターに乗る柴ちゃんや

レジに並ぶパグちゃん等

とにかくあちこちでペット連れの飼い主さんと出くわします。

また、店先で犬や猫を飼っててお客さんと触れ合えるようなケースも多いです。

飲食店でも美容院でも看板猫や看板犬がいる、なんていう光景は何度も見ました。

また、犬や猫以外にも鶏とかガチョウみたいなのが放し飼いになっているケースも何度か見かけました。

(もはやペットよりも食用での需要がありそうなので、盗まれる心配もある気がしますね)

大連のそれも割と住宅やオフィスが多いエリアでもこんな感じなので、おそらくこれが中国のスタンダードではないかと思います。

 

中国で人気の犬種

ズバリ柴犬の人気が凄いです。

柴犬専門のカフェが僕の知る限りでも大連に3つあります。

動物と触れ合えるカフェはたくさんあるんですが、特定の犬種をフィーチャーしているとなると柴犬以外見たことがありません。

柴犬は家の周辺でもとにかくよく見かけましたし、大連の中山公園にあるペット売り場は柴犬率が半端ないです。

もちろん他にも人気の犬種はたくさんあって、僕自身本当に色んなワンちゃんを見かけました。

チワワみたいな小型犬からシベリアンハスキーみたいな大型犬まで様々ですが、特に多かったのは例えば

パグとか

フレンチブルドッグとか

コーギーとか

このあたりだったかな~と記憶してます。

 

なぜこんなにも大人しくて可愛いのか

そして中国の、それも街中で見かけるワンコは冒頭でもお話した通り、とにかく吠えなくて大人しいんです。

家の近所にあった店先で留守番する白い雑種のワンちゃんとか

留学してた大学の近くでくつろいでたポメラニアンっぽいワンちゃんとか

住宅団地付近でまったり食事して日陰でまったりする毛むくじゃらのワン氏とか

日本食レストランの入り口で飼われてた、秒で番犬失格になりそうなほんわか秋田犬さんとか

散歩中にこちらに寄ってきて満面の笑みを浮かべる豆柴ちゃんとか

ソフトウェアパークの駐車場付近でひなたぼっこするミックス犬トリオとか

皆本当におっとりしてて攻撃性の欠片もありません。

ではどうして中国の犬はこんなに大人しいのか?

初めてこの疑問が浮かんだ頃、僕なりにその理由について仮説をいくつか立ててみました。

 

①子犬の頃に特別な訓練を受けているから。

②出荷前にホルモン剤か何か、興奮を抑える薬品のようなものを打ち込まれているから。

③中国では犬を食べる習慣があり、バカ犬は食べられてしまうので賢い犬しか生き残れないから。

 

ぶっちゃけ③は完全にギャグなんですが、①と②に関しては中国なら有り得そうかも?と思いました。

しかし野良犬や飼い犬から生まれた子犬なんかは当てはまらないはず。

ましてやあんなにペットを甘やかす中国人が特別な訓練なんてするだろうか?

だとすると①と②もやはり違う気がする。

う~んじゃあ何でだろう?

と思って日々を過ごす中で、ペットに関するあるコラムを読む機会がありました。

そこに書いてあった内容によると、犬が吠えるようになる原因として代表的なものは2つあるみたいです。

それというのが

 

A. 警戒心が強い

B. ストレスがたまっている

 

この2点だそうです。

Aに関しては子犬の頃にできるだけ多くのワンちゃんや人と触れ合うことで防ぐことができるみたいです。

Bに関しては、放し飼いをしたり頻繁に散歩をしてあげることで解消できるみたいです。

 

なるほど。

全てがつながった気がしました。

中国のワンちゃんたちが吠えないのは中国のペットを取り巻く環境がそうさせてるのではないかと。

ペットNGの場所が少ないから、小さいうちから飼い主さんと色んなところに散歩に行けて、色んな人やワンちゃんと触れ合う機会が多いのは明らかです。

ペット飼育ができる賃貸物件が多いことも他のワンちゃんと触れ合う機会を増やしてくれますし、人々のペットに対するマインドも比較的オープンになります。

こちらの記事でもお話しした通り、賃貸退去時の原状回復についてもうるさく言われないから屋内での放し飼いも余裕です。

飼い主さんも大概フレンドリーで、僕が犬をじーっと見つめたり関心を寄せてる雰囲気を出すと散歩中であっても立ち止まって写真を撮らせてくれたり触らせてくれる人がとても多いです。

前の記事で紹介したコーギー犬についてもそうでした。

 

小さいうちからこういった環境に慣れておけば、ワンちゃんの社会化は比較的容易になるでしょう。

中国で名犬がバンバン輩出されるのも無理からぬ話です。

 

ちなみに台湾のワンちゃんも大人しくて賢い子が多いという話を聞いたことがあります。

おそらく中国と似たような条件が揃っているんでしょう。

 

その反面、日本の犬がよく吠える理由はまさにこの逆です。

ペットNGな場所が多く、散歩の機会も限られるので、家にこもりがちで他の人やワンコと触れ合う機会がそもそも制限されています。

散歩に出たら出たで、飼い主さんもあまりよその人に自分の犬を触らせようとしません。(フレンドリーかどうか以前に、おそらく噛んでケガをさせてしまうリスクもあるので、そのあたりを考慮しているのかもしれません)

 

…と、散々語ってきましたが

上記はあくまでも僕の仮説なのでもう一歩検証が必要かとは思います(笑

順当であれば僕も近い将来ワンちゃんを迎え入れることになるかと思いますが、その際はこの仮説の実証も兼ねて、小さいうちからできるだけ社会化させてあげる努力をしたいと思います!

(名犬に育った暁にはこのブログにも登場させることができればいいな~と考えてますので、その際はどうぞ可愛がってあげてください♪)

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